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連載コラム
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まちづくり観察記vol.6 廃校リノベーション レトロな校舎で神戸ブランドに出会う北野工房のまち(兵庫県神戸市、旧神戸市立北野小学校)

文:高山佳代子(フォンテルノ)・写真:シヲバラタク(特記以外)

少子化による児童・生徒数の減少や市町村合併の影響で、毎年400~500校の廃校が発生しています。1992年以降に廃校となった延べ数は6,834校にのぼり、その3割は未利用のままとなっています。学校は、もともと地域住民にとっては身近な公共施設であることから、廃校となった後も、地域の実情に応じて積極的に有効活用しているところがたくさんあります。個性的なミュージアムにしたり、都市と農村の交流施設にしたり、はたまた地域の名産物工場にしたりとバラエティに富み、アイデア次第でさまざまな可能性を秘めています。
地方公共団体、民間事業者、NPOなど運営主体は多様ですが、増え続ける廃校をまちの資産として有効活用しているのが廃校リノベーションの特徴です。今回は、歴史ある小学校を、地域の地場産業をアピールする人気施設へと変身させた神戸市の事例をご紹介します。

『北野工房のまち』の入口はかつての正門

神戸のハイカラ文化発祥の地に建つレトロモダンな小学校

『北野工房のまち』のある北野地区は、JR三宮駅の北側、異人館や教会が並ぶ神戸のハイカラ文化発祥の地です。1908 (明治41)年に北野尋常小学校として開校した旧北野小学校は、南側の外国人居留地と北野地区を結ぶトアロードに面して建てられ、さまざまな国の子どもたちが学ぶ国際色豊かな小学校でした。
1931(昭和6)年に竣工した現存する鉄筋コンクリート造3階建ての建物は、神戸市営繕課による設計で、その外観は、様式主義からモダニズムへと変わっていく過渡的なデザインとなっており、和洋中が混在する神戸らしい特徴を持っています。大正期には児童数が1,400人とマンモス化したこの小学校も、都心地域の人口減少や少子化、また1995(平成7)年の阪神・淡路大震災による校舎の損傷により、隣接する神戸諏訪山小学校に統合されることとなり、1996(平成8)年に閉校となりました。閉校時の児童数はわずか126名でした。

『北野工房のまち』の正面入口。入ってすぐの神戸ワインの店は、2013(平成25)年3月で閉店となり、6月より「伊藤ハム 神戸Ham&Deli」が入店する
入口右手には工房の職人や店主の顔写真が飾られている
廊下に連続するアーチがレトロ感を醸し出している
(右)丸窓やステンドグラスのある階段室は、和洋中が混在するユニークなデザインで、モダニズム初期の香りが漂う
(左)モダンな構図のステンドグラス(写真2点とも:フォンテルノ)

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