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連載コラム
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家の知/討議 第8タームvol.34 “新しい公共性”(1/3) 工藤和美×千葉学×真壁智治

  • ゲスト 工藤和美(くどう・かずみ) 建築家/東洋大学建築学科教授/シーラカンスK&H代表取締役

    ゲスト

    工藤和美(くどう・かずみ)

    建築家/東洋大学建築学科教授/シーラカンスK&H代表取締役

  • ゲスト 千葉学(ちば・まなぶ) 建築家/東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授/千葉学建築計画事務所主宰

    ゲスト

    千葉学(ちば・まなぶ)

    建築家/東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授/千葉学建築計画事務所主宰

  • 真壁智治(まかべ・ともはる) プロジェクトプランナー/M.T.Visions

    モデレーター

    真壁智治(まかべ・ともはる)

    プロジェクトプランナー/M.T.Visions

住宅「回廊の家」

真壁:今日は工藤さん、千葉さんをお迎えして、住宅から公共建築に至る実例を紹介していただき、その上で「新しい公共性」という大きなテーマでお話をさせていただければと思います。それでは、まず工藤さんからプレゼンテーションをお願いします。

工藤:まず最初は、福岡県に建つ「回廊の家」という住宅です。以前、設計した住宅の近くに住む方から私たちに設計の依頼がありました。夫婦と子ども3人は、家の中でもそれぞれが離れていたくないというくらい、まれに見る仲の良い家族なんです。

様々な要望を案にしながら、最終的には真ん中に中庭をとって、周りをくるっと回廊でまわす案になりました。この時に考えたのは、家族の中のプライベートと、そこへ混じる公共(パブリック)というものをどう取るかということでした。

この写真の一階の障子の奥が茶室で、お祖父様が時々来て泊まる部屋です。右側正面の下がメインベッドルームで、二階は子ども部屋とリビング、キッチンとなっています。

とにかく家族全員が、みんなで食べることを非常に大切にしていたので、キッチンには7mぐらいあるキッチンカウンターをつくりました。奥さまは、ここで家事全般をこなします。アイロンから洗濯や料理まで、すべて行えるスペースとして、結果的に回廊の一面、一番長い空間を家事スペースとしました。

さらにキッチンの向こうにも3.5mくらいのダイニングテーブルがあって、その続きにリビングが。リビングを右に折れたところには家族の書斎、子どもたちの個室が3つ並んでいます。1993年に「大阪ガス実験集合住宅 NEXT21」という集合住宅のプランで、個室を極限的に小さくしたプランを提案したのですが、その話をクライアントにしたらとても共感していただいたので、この住宅でも子ども部屋は5畳ほどしかありません。

個室を小さくして、共有部分を大きく取り、家族の在り方を切り分けました。この写真の右が子ども部屋となっています。本当にグルグル回れるプランなのですが、子どもも成長するにつれて、家族の形態も変わるので、子ども部屋も子ども部屋という雰囲気はなく、あくまでも3つの小さい部屋があるという感じになっています。

奥さまはお茶の先生もしていて、生徒さんもみえるので、このような和室もつくってあります。1階には主寝室があるのですが、開かれたゲストも入ってくるというつくりになっています。

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