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家の知/討議 第7タームvol.32 "作り手"と"住まい手"の再考(2/3) 小嶋一浩×加茂紀和子×真壁智治

  • ゲスト 小嶋一浩(こじま・かずひろ) 建築家/横浜国立大学大学院Y-GSA教授/C+A(シーラカンスアンドアソシエイツ)共同主宰

    ゲスト

    小嶋一浩(こじま・かずひろ)

    建築家/横浜国立大学大学院Y-GSA教授/C+A(シーラカンスアンドアソシエイツ)共同主宰

  • ゲスト 加茂紀和子(かも・きわこ) 建築家/ ICS カレッジオブアーツ講師/みかんぐみ

    ゲスト

    加茂紀和子(かも・きわこ)

    建築家/ ICS カレッジオブアーツ講師/みかんぐみ

  • 真壁智治(まかべ・ともはる) プロジェクトプランナー/M.T.Visions

    モデレーター

    真壁智治(まかべ・ともはる)

    プロジェクトプランナー/M.T.Visions

真壁:それでは、次は加茂さんのプレゼンテーションをお願いします。

加茂:今日は作り手と住まい手という視点で、小学校と3つの住宅をプレゼンさせていただきます。まずは伊那小学校です。長野県伊那市は、東京から行くと中央高速に乗って、諏訪湖から少し名古屋よりの位置になります。ちょうど中央アルプスと南アルプスに挟まれて、天竜川が流れているところで、とても寒い地方です。冬はマイナス13度くらいになったりもします。

とにかく美しい風光明媚なところで、そのなかにこの伊那小学校があります。はじめは寺子屋のようなところからはじまって地域に守られながら、増改築を重ねてきた小学校なんです。当初は改築を考えたのですが、一番古い建物は昭和37年に建てられていて、耐震性としては無理だった。そこで、そこは新しく建て替え、残すところは残すということが求められました。

こどもたちの様子・生活を観察する

このプロジェクトを受けることのきかっけはQBSという、要は、建築の案を選ぶのではなく、設計者を選ぶコンペのようなものでした。ですので、最初は具体的な案ではなく、コンセプト的なものを提出するので、はじめは白紙状態なんです。そして、設計者として選ばれると、前提として地域の人々とワークショップをしながら設計を進めていくことが要件となっているわけです。

こどもたちの様子・生活を観察する

学校の周辺は、こんなふうに田んぼが多くて、要は屏がない。学校も昔ながらだから、門もないんですね。学校の周囲は周りはソメイヨシノがたくさんあります。校内には一本、コヒガンザクラという色が濃い桜があって、それをみんなで大切にしていた。設計の上でも大きなポイントになってくるものです。

こどもたちの様子・生活を観察する

残す部分は残しながら新しく建てるために、私たちはまず既存環境の理解からはじめました。周辺環境はもちろん、何日かは子どもたちと一緒に給食を食べたり、長野は教育県ということもあって蔵書数が1万5千冊以上あることや冬は朝8時から暖房がついていてみんな床に座って本読んでいることに驚いたり。そういった観察からワークショップを重ねていきました。

本来ならば2006年に着工の予定だったのですが、かねてからこの学校は市の中でもグランドが狭いと問題になっていたんですね。下の図のように旧校舎を壊して、新しく建てても、グランドが広がらないじゃないかと。これがクリアできないことで、硬直してしまったんです。そうしたら、下の図の左にある民家の方が自分の家を提供するからと申し出て下さったのです!市はそこを買い受け、そこからプロジェクトは一気に進んでいきました。
民家の分、敷地が広がったことで、既存校舎にいながら一部の建て替えを行えるのではないかということになりました。そうするとプレハブ校舎を建てなくて済むので、2億円くらいは節約できる。さらにグランドも広くつくれると。こういうことがワークショップを行いながら、劇的に進んでいきました。

第7ターム 家の知/討議 動画配信

テーマ:「"作り手"と"住まい手"の再考」 at Coelacanth and Associates tokyo
小嶋一浩×加茂紀和子×真壁智治

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