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連載コラム
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家の知/討議 第6タームvol.29 家のスガタとふるまい(2/3) 小泉雅生×藤本壮介×真壁智治

  • 小泉雅生(こいずみ・まさお) 建築家/首都大学東京大学院教授/有限会社小泉アトリエ代表

    小泉雅生(こいずみ・まさお)

    建築家/首都大学東京大学院教授/有限会社小泉アトリエ代表

  • 藤本壮介(ふじもと・そうすけ) 建築家/藤本壮介建築設計事務所代表

    藤本壮介(ふじもと・そうすけ)

    建築家/藤本壮介建築設計事務所代表

  • 真壁智治(まかべ・ともはる) プロジェクトプランナー/M.T.Visions

    真壁智治(まかべ・ともはる)

    プロジェクトプランナー/M.T.Visions

真壁:それでは続いては、小泉さんのプレゼンをお願いします。

Activity > Architecture

小泉:今お話をうかがっていて、藤本さんとは、出来上がる建築の形はだいぶ違うのだけど、実は考えていることはそんなに変わらないのかもしれないと思いました。今回のタイトルは「身体性・アクティビティと建築」です。要は建築とアクティビティの関係についてです。藤本さんの言葉で言うと「ふるまい」になりますね。

建築は硬くて強いものであり、その強固な建築に人間のアクティビティが従うというのが一般的です。しかし、本当は逆であるべきではないかと。人間のアクティビティの方が先にあって、それを柔軟につつんでいくような建築はできないのだろうかということを、考えています。
建築は、身体の近くにあって人間に快適な環境を作るという意味で衣服のようだとよく言われます。ちょっと距離や強さが違うだけで、建築と衣服は相似であると。
衣服は人間の動きに追随してくれるけど、建築はそう簡単に追随することができない。けれども、もう少しアクティビティや身体にフィットしやすい建築の作り方はないのだろうかと、そんなことを考えているわけです。そこで僕は今回3つの作品を紹介します。

Open Ended House UTS アシタノイエ

ひとつ目は、「アシタノイエ」という自邸です。丘の頂部に建つということで、周辺の地形になじませ、地形が連続するような形の屋根を架け渡すことから始めました。

[クリックで拡大]

屋根の上には独立した部屋が2つ置かれています。ひとつはダイニングスペースで、もうひとつは主寝室です。それぞれ生活の中でプライバシーの度合いの高いアクティビティを独立させて、離して置きました。対して、屋根の下は完全な一室空間。平面図の中に「Court」という場所がありますが、ここは外部的な場所で、このCourtによって屋根下の一室空間を分節化しています。

[クリックで拡大]

これは断面図です。左の図面の屋根上に飛び出たところがダイニング、右の図面の飛び出たところが主寝室となります。

左の写真がダイニングで、右はダイニングから下の一室空間を見下ろしたところです。

下に行くと、このような一室空間になっています。ここでは一つ屋根の下という一体感を醸し出し、限られた空間をできるだけ大きく見せるという意図から、、欄間レベルでずっと視線が通るような形にしています。その下のレベルで必要に応じて視線を制御するということをやっています。

1Fの平面の中央には水回りと収納のコアがあって、外周部にはコートと呼ぶ木製のルーバーで囲まれた小さな坪庭空間があります。上の写真のような形で坪庭によって分節され、一室空間の中にいろいろなコーナーができてくる。

それぞれのコーナーが、本を読むための場所になったり、ピアノを弾くための場所になったりといった感じで、誰かが何らかの活動をしていて、他の人の活動が気にならないような距離感をつくろうとしたわけです。

床の一部は、そのまま外部へと出て、斜面を駆け上がっていき、折り返して2階の床・屋根につながっています。
次に、建物の中での人間同士の距離感とは別の話で、周囲とどういう関係を結ぶのかということも大事です。建物の中での人との関係と同時に、建物と外との関係を考えなければならない。僕はここでは建築的というよりは、むしろランドスケープ的なもので周囲となじんでいくというようなことを考えました。右の写真は、上から見たところですが、下から伸びてきた床がそのまま一階の屋根につながっていく。もともと丘だった地形が造成された敷地なのだから、建築によって元の地形を再編集するような思いがあったのです。

第6ターム 家の知/討議 動画配信

テーマ:「家の"スガタ"と"ふるまい"」 in LIXIL:GINZA
小泉雅生×藤本壮介×真壁智治

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