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連載コラム
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家の知/討議 第1タームvol.5 「家族」の歴史、その根源から考察する 難波和彦×篠原聡子×真壁智治

  • 難波和彦(なんば・かずひこ)東京大学教授/難波和彦+界工作舎

    難波和彦(なんば・かずひこ)

    東京大学教授/難波和彦+界工作舎

  • 篠原聡子(しのはら・さとこ)日本女子大学准教授/空間研究所

    篠原聡子(しのはら・さとこ)

    日本女子大学准教授/空間研究所

  • 真壁智治(まかべ・ともはる) プロジェクトプランナー/M.T.Visions

    真壁智治(まかべ・ともはる)

    プロジェクトプランナー/M.T.Visions

真壁:前回のタームでは、俯瞰して「家」を中心にいろいろなキーワードを出して話していただきました。そこで、今回の第2タームでは、「家族」というキーワードに着目したい。現代の問題として「家族」にどういう問題があるのか、どういうことが研究されるべきなのか、またそれらが設計にどう反映されるべきなのか、というところを少し絞ってお話できればと思います。
私の友人の松岡正剛さんが「20世紀は主題の時代だ、そして21世紀は方法の時代だ」とこれまでしきりに発言されていました。例えば、平和や環境、民主主義、共生などと主題となるものの抽出は20世紀にほとんど出尽くしたのだけど、そのほとんどは21世紀の今、何も解決していないということです。ですので、今日の主題である「家族」という問題(主題)も、住宅と絡めながら少し具体的な方法という視点で議論できればと思います。

まず、最初に「家族」という問題を建築サイドから眺めるときに、大きく3つぐらいのテーマが見えるのではないかと。

一つ目は「家族」を再生する装置として、どのように家を考えるかということ。これは、建築的にどう解くかというプログラムの問題にもなってくると思います。少し特殊な事例かもしれないけど、アトリエ・ワンがつくった<漫画喫茶の家>は、子ども部屋の本とお父さんの部屋の本と、一個所に全部集めることによって、本に家族が寄っていきながら、もう一度「家族」の関係を再構成する(※1)。あるいは長谷川豪さんが設計された<桜台の家>なども、家の中心に大きなテーブルという場を設定することによって、「家族」の関係をもう一度とらえていく(※2)。

真壁:二つ目は多様化する「家族」。単身者やディンクス、高齢者も含めて標準世帯から多様な世帯が生まれてきたなかで、多様な形態の「家族」の家という問題が2番目にあると思います(※3)。

真壁:三つ目は篠原さんの最近の著作にもありますが、「家族」が家を超えたところで、他者や地域というものと関わっていくという新しい「家族」があるのだろうと。
どうも住宅や家と向き合っていくときに、これら3つが絡まりながらの検討があるのではないかと思うのです。まずは、篠原さんは、これまで一貫して「家族」と家という問題を研究し、設計もされてきていますが、そもそもはどういうきかっけだったのでしょう。

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