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連載コラム
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ディテールの冒険vol.23 藤井厚二の開口部〈前編〉

文・イラスト:堀 啓二(共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授)

その集大成(5棟目)が「聴竹居」です。藤井厚二がこの地を選んだのは、神戸から京都に向かう車窓からみる豊かな自然環境を気に入ったのと、自身がお茶を深く嗜み千利休に心酔していたため、近くに千利休作の茶室妙喜庵「待庵」があったためとも思われます。

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この茶室「待庵」のある駅から、坂道を10分程登った尾根筋の上に「聴竹居」は立っています。道路からは木々越しに南の光で照らされたカエデの木と少し上ったところに「聴竹居」がかすかに見えます。明るい光に導かれるように木々をくぐり、宅内の緩く右にカーブした石段を上ると、南側の景色を一望させた後、低く押さえられたシャープで軽やかな切妻の屋根と下屋の玄関が見えてきます。短いながらもシークエンスの変化に富む豊かなアプローチです。玄関を通り「居室」に直接入ると、木と和紙でつくられた落ち着いた場が我々を迎えてくれます。訪れた9月はまだ残暑が厳しい暑い日でしたが、室内は程よい明るさとかすかな風の流れにより涼しく感じ、外の暑さを感じさせない空間でした。「居室」からは風景を一望できる明るい南側の縁側に自然と目が向きます。「居室」の様々なコーナーに座ってみました。どこの場所に座っても、四季の変化や時間の移ろいを感じることが出来る、いつまでもいたくなる居心地の良い空間でした。
次回はこの居心地の良さを生み出す開口部について詳しく見ていきます。

堀 啓二(ほり・けいじ)共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授/建築家

堀 啓二(ほり・けいじ)

共立女子大学家政学部
建築・デザイン学科教授/建築家

1982 年東京芸術大学美術学部美術研究科建築専攻修了。 1983-85 年有限会社デザインリーグ勤務。1989 年株式会社 山本・堀アーキテクツ設立。2000-02 年 明治大学工学部建築 科非常勤講師。 2000-04 年 工学院大学建築学科非常勤講師。 2004 年 共立女子大学家政学部生活美術学科建築専攻助教授。 2010 年 共立女子大学家政学部建築・デザイン学科教授

堀 啓二(ほり・けいじ)共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授/建築家
共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授 / 建築家堀 啓二(ほり・けいじ)

1982 年東京芸術大学美術学部美術研究科建築専攻修了。1983-85 年有限会社デザインリーグ勤務。1989 年株式会社 山本・堀アーキテクツ設立。2000-02 年 明治大学工学部建築 科非常勤講師。2000-04 年 工学院大学建築学科非常勤講師。2004 年 共立女子大学家政学部生活美術学科建築専攻助教授。 2010 年 共立女子大学家政学部建築・デザイン学科教授

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