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連載コラム
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ディテールの冒険vol.20 アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto) 自然と対峙する建築〈後編〉

共同執筆 石垣 明子(共立女子大学 大学院 建築設計研究室)

外部と連続しつつ光あふれる落ち着いた場をつくる開口部

マイレア邸は、フィンランド西部ノールマルックの広大で豊かな自然の中に建つ、アアルトの親友でアルテックの共同経営者のマイレ&ハリー・グリクセンのためにつくった住宅です。

マイレア邸1F平面図[クリックで拡大]

北欧は北極圏以外でも白夜がある厳しい環境の国です。人々は長く寒い冬の間はほとんど日の光を浴びる事ができません。それに対し日が長い夏には日の光を積極的に浴びます。北欧の人達は光を求め、光を浴びる事に喜びを感じます。アアルトの建築をつくる時の決め手は、土地の形状、周囲の風景、そして日の入り方のようです(スケッチにはそれを感じさせる矢印が多い)。特に北欧の人が望んだ日の光については、朝日から夕日まで様々な角度からの光を楽しめるように、中庭を設けるなどの工夫をしています。マイレア邸も広大な森の中に、フィンランドの湖をイメージさせるプールを持つ中庭を囲むようにサウナ、食堂、居間そしてウインターガーデンが配置されています。

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中庭東側にある住まいの主要空間である居間は、ミュージックルームと雁行しながら連続した一体空間であり、北欧独特の水平に真横から指す光が絶えず注ぎ込まれるよう東、南、西に開いています。

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床にレベル差もあり連続しながらも落ち着いた2つの居場所を創り出しています。また、その他の居室もその居室に一番適した時間に日の光が入るように配置されています。1階の書斎、2階の寝室群は南東向きに配置、朝の光を楽しむようになっています。それに対し食堂は西南に配置、ぎりぎりまで西日を楽しみながら食事ができます。


堀 啓二(ほり・けいじ)共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授/建築家
共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授 / 建築家堀 啓二(ほり・けいじ)

1982 年東京芸術大学美術学部美術研究科建築専攻修了。1983-85 年有限会社デザインリーグ勤務。1989 年株式会社 山本・堀アーキテクツ設立。2000-02 年 明治大学工学部建築 科非常勤講師。2000-04 年 工学院大学建築学科非常勤講師。2004 年 共立女子大学家政学部生活美術学科建築専攻助教授。 2010 年 共立女子大学家政学部建築・デザイン学科教授

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