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連載コラム
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ディテールの冒険vol.18 マリオ・ボッタの開口部〈後編〉

カデナッツォの住宅1970-71

カデナッツォの住宅[クリックで拡大]

前編で述べたようにマリオ・ボッタは、設計をしつつベネツィア大学で学び、近代建築の3人の巨匠ル・コルビュジェ、ルイス・カーン、カルロ・スカルパのところで修行しました。カデナッツォの住宅は、ルイス・カーンのヴェネツィア国際会議場のプロジェクトに参加した後、大学を卒業した年に設計しています。そのためコンクリートブロックの使用や円形の開口部等のモチーフにその影響が見られます。
この住宅にはマガディーノ平野の穏やかな風景を望める北側に、円形に穿たれた開口部を持つ壁面に囲われた、3層にわたる吹き抜け空間でつながったテラスの塔が設けられています。

カデナッツォの住宅[クリックで拡大]

この半屋外空間の塔は内部と外部の緩衝の領域となり、光と風雨はこの半屋外空間によりコントロールされ、居心地のよい場を創り出しています。3つの階はこの塔の吹き抜けを介して空間的にも視覚的にも連続しています。中間の2階の吹き抜けに面した部分はギャラリーとなっているため、連続性を強めています。また、2階と3階で吹き抜けがずれることで、3階の寝室のプライバシーを守りつつ気配の感じることができる連続した空間となっています。このように半屋外空間の塔は、まさに環境をコントロールする立体的な開口部の役目を果たしています。

カデナッツォの住宅

堀 啓二(ほり・けいじ)共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授/建築家
共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授 / 建築家堀 啓二(ほり・けいじ)

1982 年東京芸術大学美術学部美術研究科建築専攻修了。1983-85 年有限会社デザインリーグ勤務。1989 年株式会社 山本・堀アーキテクツ設立。2000-02 年 明治大学工学部建築 科非常勤講師。2000-04 年 工学院大学建築学科非常勤講師。2004 年 共立女子大学家政学部生活美術学科建築専攻助教授。 2010 年 共立女子大学家政学部建築・デザイン学科教授

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