BACK
連載コラム
ボタンを押して、BOOKMARKに追加できます。
BOOKMARKする

ディテールの冒険vol.12 ミース・ファン・デル・ローエの開口部〈後編〉

内外一体となったユニバーサルスペースを生み出す開口部

「機能的要請は時間の経過によって変化する」という様に、建築は人が活動することによって成り立つため、活動の変化によって(住まいであればライフスタイルやライフステージの変化によって要求される空間も変化する)空間も変化できるフレキシビリティが必要です。「形態はいかなる機能の変化も許す」という様に、ミースは、構造の制約から完全に解放されたワンルーム空間により、様々な活動に対応するユニバーサルスペースというコンセプトで住宅から公共的な施設まで実践し続けた建築家です。この概念をシンプルでかつ美しく最も直截に表現してガラスのパビリオンとしてつくられたのがファーンズワース邸です。

フォンスワース邸[クリックで拡大]

ファーンズワース邸と50×50の二つのパビリオンについて、ミースは次の様に述べています。
「自然もまた我々の生活と共存しなければならない。住宅の色や室内の家具で自然を台無しにしない様に注意しなければならない。さらに、自然、住宅、人間を調和させて、統一性を高めるべきだ。ファーンズワース邸のガラスの壁越しに自然を見れば、外で見るより重要性が増すだろう。自然について付け加えると、それはさらに大きな全体の一部となるのだ。」

フォンスワース邸[クリックで拡大]

この言葉にある様に、自然を見つめて暮らすように設計されたこれらの住宅は、開口部というよりも透明の壁という意識が感じられ、内外に境のない連続した一体的な空間を目指していた様に思われます。それを実現しているのが、開口部の存在を消す骨組のディテールです。

堀 啓二(ほり・けいじ)共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授/建築家
共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授 / 建築家堀 啓二(ほり・けいじ)

1982 年東京芸術大学美術学部美術研究科建築専攻修了。1983-85 年有限会社デザインリーグ勤務。1989 年株式会社 山本・堀アーキテクツ設立。2000-02 年 明治大学工学部建築 科非常勤講師。2000-04 年 工学院大学建築学科非常勤講師。2004 年 共立女子大学家政学部生活美術学科建築専攻助教授。 2010 年 共立女子大学家政学部建築・デザイン学科教授

こちらのおすすめ記事もいかがですか?