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連載コラム
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ディテールの冒険vol.9 ル・コルビュジェの開口部II〈前編〉

前回のル・コルビュジェの開口部では、土地に根ざした適材適所の開口部ということで、インドの厳しい環境をうまく活かした開口部について話をしました。今回は、前回の話の中で出ていた、外部環境とのインターフェイスとなる 4)横長水平連続窓 5)自由なファサード(立面)を表現した下記の C)風景を絵画の様に取り込み採光、通風と開放感を生み出す横長水平連続窓 D)開口と外壁を兼ね豊かなファサードを創り出すPCホローブロック に焦点を当て、ル・コルビュジェの開口部をさらに繙いていきます。

「住宅は住むための機械である」

建築を学んだことがある人は、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。この言葉は「建築をめざして」というル・コルビュジェ著の有名な本の中に出ています。20世紀初頭の機械化時代に発展し、人類の生活様式、空間を一変させ充実した世界をつくり出したかの様に思われてきた自動車、船舶、飛行機、そして人工環境をつくり出した空調機をはじめとする設備機器と住居を等価に表した言葉と言われています。確かにこれらの精密機械は、細部まで十分に考え尽くされ、できたものの機能性、安全性などはとても高いものです。しかし住宅の場合、それは住宅を考え尽くす必要性とそこから導き出される可能性を表現した言葉だと私は思います。住居は、人がそこで安全に生活し、家族や周りの人達との絆を深め、そして自然環境ひいては神など人知を超えた存在との関係性を持つための器です。そのため細部まで注意深く気を配り設計する精密機械の様に住宅も、暮らす人の習慣、意識、時代性、その場の環境、風土、歴史を十分に考え設計することが重要です。そうして考え尽くされた住宅は、人と住まいと環境が見事に調和し合い、居心地のよい場をつくり出すという意味が込められていると思います。
住宅の居心地のよい場をつくり出す要素のひとつが開口部であり、これから述べる横長水平連続窓です。

堀 啓二(ほり・けいじ)共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授/建築家
共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授 / 建築家堀 啓二(ほり・けいじ)

1982 年東京芸術大学美術学部美術研究科建築専攻修了。1983-85 年有限会社デザインリーグ勤務。1989 年株式会社 山本・堀アーキテクツ設立。2000-02 年 明治大学工学部建築 科非常勤講師。2000-04 年 工学院大学建築学科非常勤講師。2004 年 共立女子大学家政学部生活美術学科建築専攻助教授。 2010 年 共立女子大学家政学部建築・デザイン学科教授

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