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連載コラム
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ディテールの冒険vol.5 ル・コルビジェの開口部 近代建築の5原則〈前編〉

左図を見て下さい。建築に関係している人は、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。1914年に発表されたドミノシステムです。今では当たり前のように使われている壁や間取りから解放された骨組みだけの提案です。(日本の建築は柱梁の木造軸組でこのシステムに近いものでした。)欧米では、それまでは組積造の建築が主流で厚い壁による重く閉鎖的な建築でした。構造から解放された壁は薄く自由な形、ガラスなどの自由な材料の使用が可能となり開放的な空間が実現しました。それを提案したのがル・コルビジェです。

ル・コルビジェはこのシステムを基に「近代建築の5原則」という共通の言語を用いて世界各地で様々な建築を創っています。個人や地域の特殊性を超えた、世界のどこでも共通の均一な生活空間を追求したのがインターナショナルスタイルです。ル・コルビジェもその先端を担った一人ですが、土着的な建築言語を摂取し自分の一つのスタイルとした「ブリーズソレイユ」に代表されるように、明らかにリージョナリズムの展開を見せ、その土地の環境を十分理解し、環境を取り込み、環境に共生した建築を創ってきた建築家でもあると思います。という意味では、バナキュラーなモダンともいえます。

3年前の春、ル・コルビジェの作品群のあるインドを訪れました。ル・コルビジェはインドで、唯一実現したチャンディガールの都市計画とキャピトルの建築群(最高裁判所、総合庁舎、議事堂など)、アーメダバードの繊維業会館、美術館、美術学校、そしてサラバイ邸、ショーダン邸と住宅から都市まで様々なスケールの建築を手掛け完成させています。インドは亜熱帯気候のとても厳しい環境です。このような環境の中で、ブリーズソレイユによる日射のコントロール、緑化、アウトドアラウンジともなる豊かな半外部空間が自然を取り入れコントロールする装置として働き快適な空間を実現していました。まさに環境共生建築でした。この空間を補完する開口部について詳しく見ていきたいと思います。

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堀 啓二(ほり・けいじ)共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授/建築家
共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授 / 建築家堀 啓二(ほり・けいじ)

1982 年東京芸術大学美術学部美術研究科建築専攻修了。1983-85 年有限会社デザインリーグ勤務。1989 年株式会社 山本・堀アーキテクツ設立。2000-02 年 明治大学工学部建築 科非常勤講師。2000-04 年 工学院大学建築学科非常勤講師。2004 年 共立女子大学家政学部生活美術学科建築専攻助教授。 2010 年 共立女子大学家政学部建築・デザイン学科教授

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