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連載コラム
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ディテールの冒険vol.2 吉村山荘/吉村順三 居心地の良い住まい <後編>

フルオープン ガラスは壁

開口部には、基本的にガラスを使用します。そこで使用されるガラスが透明であれば、内外一体の空間が創り出されると思われがちです。確かに透明ガラスは、視線を通し外部の風景を内部に取り込みます。それとともに内部環境を守る役目を果たします。その点ガラスは優れものです。しかし反面、ガラスは光を反射するし空気も通しません。反射するということは、周囲の風景がガラスに映り込み(これはこれで面白い風景を創り出しますが)ひとつの面として感じられます。また、メンテナンスを怠ると、埃や汚れで汚く曇ってしまいます。高気密高断熱により建物は閉じる方向に向かい、ガラスも様々な高性能ガラスが使用され、それとともに24時間空調で閉じた箱となっています。このようにガラスは視線を通し開放性を創り出しますが、透明な壁のような物です。場の根源のひとつが木の木陰であったように柔らかい光が差し込み、爽やかな風が流れる東屋のような場で、自然を肌で感じ、季節の変化、天候の変化、光の変化などを感じて暮らしたいものです。それを実現したのが、軽井沢の山荘のフルオープンのディテールです。

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堀 啓二(ほり・けいじ)共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授/建築家
共立女子大学家政学部 建築・デザイン学科教授 / 建築家堀 啓二(ほり・けいじ)

1982 年東京芸術大学美術学部美術研究科建築専攻修了。1983-85 年有限会社デザインリーグ勤務。1989 年株式会社 山本・堀アーキテクツ設立。2000-02 年 明治大学工学部建築 科非常勤講師。2000-04 年 工学院大学建築学科非常勤講師。2004 年 共立女子大学家政学部生活美術学科建築専攻助教授。 2010 年 共立女子大学家政学部建築・デザイン学科教授

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