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設計のヒント
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LIXILのディテールvol.7平凡さからの脱却 ─ 「どこにでもあるもの」から「どこにもないもの」を生み出すために

  • GEN INOUE 井上玄(いのうえ・げん) 1979年 横浜生まれ。2001年 東海大学工学部建築学科卒業。2001年 吉田研介建築設計室 勤務。2010年 GEN INOUE 設立。

    GEN INOUE

    井上玄(いのうえ・げん)

    1979年 横浜生まれ。2001年 東海大学工学部建築学科卒業。2001年 吉田研介建築設計室 勤務。2010年 GEN INOUE 設立。

  • トステム 石上 桂吾(いしがみ・けいご) トステム株式会社/商品本部 住宅サッシ統轄部 商品企画室

    トステム

    石上 桂吾(いしがみ・けいご)

    トステム株式会社/商品本部 住宅サッシ統轄部 商品企画室

  • トステム 堤 隆士(つつみ・たかし) トステム株式会社/商品本部 住宅サッシ統轄部 商品企画室

    トステム

    堤 隆士(つつみ・たかし)

    トステム株式会社/商品本部 住宅サッシ統轄部 商品企画室

建築設計事務所に入所し5~10年前後の設計者が抱える既製品への疑問や要望を提示してもらい、ショールームで商品に触れながら開発担当者との直接対話を通し、その解決策や展望を語る「LIXILのディテール」。第4回目は、吉田設計室での10年のキャリアを経て昨年独立された、井上玄氏にご登場いただき、既存サッシへの要望や、トステムの新商品「サーモス」についてのご感想などをお話しいただきました。

井上 玄(いのうえ げん)(GEN INOUE)
石上 桂吾・堤 隆士(トステム)
司会: 真壁智治 (M.T.Visions)

今回の井上氏の疑問・要望

―プロフィールを拝見させていただくと、井上さんは昨年独立されるまで、吉田研介さんのアトリエにはほぼ10年いらしたわけですね。
10年のキャリアというのは、たとえば青木淳さんのアトリエだと4年ごとに人を入れ替えるそうですが、それに比べると大学を2回巡るような時間ですので、10年でどんな知識が身についたのか、アトリエ設計事務所の10年というものがどんなものか教えていただければと思います。

井上:吉田とは大学1年の時からのつきあいになります。建築学科の学生として吉田の授業を受けて、その授業ではじめて「建築は面白い」と思ったんです。建築に目覚めたんですね。そこから始まって、4年のゼミも吉田研究室にお世話になり、卒業後そのまま就職しました。
吉田とはかなり年齢も離れているので、建築以外にも、吉田の好きな料理や食のことなど、さまざまな分野で影響を受けてきました。
個人事務所ですのであまり多くのスタッフを雇わない、確か7年くらいはスタッフが私一人っきりだったので、ほとんどマンツーマンで教えを受けました。最初はまったく何もわからず、一緒に現場に行っても大工さんに怒られるところから始まって…。

――そうすると、カタログの見方も分かりませんよね。

井上:何を調べたらいいのかも分からないし…、何が分からないのかも分からない状態でした。(笑)
それでも、吉田が先生業をやっていたこともあって、教えるということに関してはかなり力を入れてやってもらったと思います。

――いわゆる「プロフェッサーアーキテクト」ですね。学生に教えながらアトリエを経営していらっしゃるので、教えると言うことに関しては、かなり丁寧というか…

井上:そうですね。
そこで、最初から「いかに非凡であるか」ということをずっと言われ続けていました。吉田設計室では総予算が少ないプロジェクトも多く、必然的に住宅用の既製サッシを使うことが多くなります。そこでいかに普通に見せないか…。

シャッターハウス(撮影:井上 玄) シャッターハウス(撮影:井上 玄)

――アトリエ系の設計事務所として、いかに独自性をだすかということですか。

井上:そうですね。そこで、一般的な取り付け方や納まりとは違った自分なりの工夫をして、自分が見せたい見せ方を考えるのが建築だ、というのが吉田のスタンスでした。
ですから、普通の半外付けのサッシを半外でつけてこういう風に枠がついて…、というのであれば、おまえはいらない。そんなものはカタログに書いてあるって言われましたね。

――でもそのことの本当の意味がわかるまでには、経験が必要ですよね。

井上:そうですね。2、3年経ってそれまで描いてきた納まりと実物が結びつくタイミングが自覚としてありました。自分も一歩前進したかな、と思える感覚があったんですね。

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