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設計のヒント
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LIXILのディテールvol.1 表現部分として使いこなすサッシ─ 納まりの工夫で表現するアイデンティティ

  • 松尾 宙(まつお・ひろし) アンブレアアーキテクツ代表 1972年 東京都生まれ。1995年 獨協大学法学部法律学科卒業。1999年 早稲田大学芸術学校卒業。2001年~ 石田敏明建築設計事務所。2008年 アンブレアーキテクツ設立。主な受賞に2004年日本建築学会作品選集/TAK。2008年 SDレビュー入選/A projectなど。

    アンブレアアーキテクツ代表

    松尾 宙(まつお・ひろし)

    1972年 東京都生まれ。1995年 獨協大学法学部法律学科卒業。1999年 早稲田大学芸術学校卒業。2001年~ 石田敏明建築設計事務所。2008年 アンブレアーキテクツ設立。主な受賞に2004年日本建築学会作品選集/TAK。2008年 SDレビュー入選/A projectなど。

  • トステム 藤井 文徳(ふじい・ふみのり) トステム株式会社/営業本部・商品促進部

    トステム

    藤井 文徳(ふじい・ふみのり)

    トステム株式会社/営業本部・商品促進部"

  • トステム 冨井 智(とみい・さとし) トステム株式会社/住宅サッシ統括部・サッシ商品部

    トステム

    冨井 智(とみい・さとし)

    トステム株式会社/住宅サッシ統括部・サッシ商品部

  • トステム 森谷 朗(もりや・あきら) トステム株式会社/ドア統括部・ドア商品部

    トステム

    森谷 朗(もりや・あきら)

    トステム株式会社/ドア統括部・ドア商品部

建築設計事務所に入所し5~10年前後の設計者が抱える既製品への疑問や要望を提示してもらい、ショールームで商品に触れながら開発担当者との直接対話を通し、その解決策や展望を語る「LIXILのディテール」。第1回目は建築設計事務所を独立して間もない、松尾宙氏にご登場いただき、サッシという、建築の表現と性能に深く係る商品とその納まりについてお話しいただきました。

松尾宙(建築家・アンブレアアーキテクツ代表)
藤井文徳・冨井智・森谷朗(トステム)

今回の松尾氏の要望

──このコーナーでは、若手設計者が抱える疑問や要望をうかがっていきます。まず、松尾さんご自身の商品に対する考え方や商品の理解と情報の収集方法についてうかがいますが、松尾さんは入所してから何年間勤務していましたか?

松尾:僕は8年になります。

──その8年を大きく、入所間もない頃、設計が少しわかってきた、作品を任せられるようになったという3つぐらいの時期に分けると、それぞれの時期でサッシなど建具の選定に際し、所員はどのように戸惑い、カタログはどのように使われているのでしょうか。

松尾:務所に入所してすぐの頃は、木造用サッシの外付けや半外付け、ビルサッシのRC用・同面枠など、なんで枠の種類があり分類されているのかが理解できず、カタログを読み込んだり、メーカーに電話を掛けまくりながら調べ尽くしました。

藤井:今のお話で私の入社当時のことを思い出しました。メーカーの社員という立場でも、最初にカタログを渡されて見たときにやはり全然分からなく、先輩に聞いたり、自分で調べたりして勉強していました。

松尾:その頃、主に使っていたサッシは『NCVオペラ』というシリーズでしたが、その商品体系や納まり等を理解するのに2年ほどかかりました。

藤井:私も入社2年目ぐらいでやっと自社商品を理解しました。当時商品開発を担当していましたので、次に素材メーカーの資料を集めて見ると、今度はその特性などが分からず、素材メーカーさんを呼んで聞いていましたね。

松尾:商品体系を理解し、自分たちの事務所としてこの商品だったら使えるなというのが分かってくるのがだいたい3~5年の中盤頃になります。その頃になると、選定する商品がだいたい決まってくるので、それ以降はカタログを詳しく読み込んだり、他の商品を探すことはあまりなくなりました。

──入所3~5年になると、自分が吸収した情報の中で設計を進めるようになってくる訳ですね。

松尾:中盤の時期は、自分が選択したものを継続して使用する時期でした。任せられる仕事も増えてきて、新しい情報を集めたりする時間もなくなってきます。また、自分なりの標準ディテールが確立し、こう納めればこうなるという思惑が見えてくるので、それを外したくないという理由もあります。ただ、新しいカタログを見る機会が減る一方で、カタログ自体は入所後5年目以降ぐらいじゃないとすぐに理解できない内容になっていると思います。

──終盤の6~8年目になると、プロジェクトをまとめる立場として、実務は後輩所員に任せるようになってゆく時期になり、ゆとりがでてくる頃だと思いますがいかがでしょうか。

松尾:スタッフは小人数だったのでそういったことは有りませんでした。ただ、その頃になると余裕を持って設計業務をできるようになってきました。ゆとりができたところで、もう一度商品を見直してみると、"なぜこんな商品が無いのか"とか"少し違った使い方ができないか"と考えるようになりました。一度確立した標準ディテールを使い続けていると、開口部がもたらす質も固定化されてしまいます。この時期にもう一度初心に返ることで新しい発見や疑問が見いだせるようになりました。

藤井:商品開発に携わっていても同じように、その頃になると開発の中に自分なりのアイデンティティを入れてみようとか、この部分は他の素材の方が適しているのではといったことを考えるようになり、もう一度商品を見直してみるべき必要もあると感じるようになりました。

──今日お持ちいただいたのはその8年目の松尾さんの疑問や要望ということですか。

松尾:そうですね。入所当初から持ち続けている疑問もありますが。

──ではここから具体的に設計時における商品への疑問や要望についてお聞きします。

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